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【 コラム 】体験学習/ラボラトリートレーニングとは何か?

公開日:2023年2月3日

2022年12月15日(木)のコラムで「アクティブラーニング(受講者の能動的な学習を促す)が重要な理由」という題名でお伝えしましたが、アクティブラーニングの中の1つのトレーニング方法「体験学習/ラボラトリートレーニング」について2回に分けて解説します。
第1回となる今回は「体験学習/ラボラトリートレーニングとは何か?」という内容をお伝えします。


『体験学習(ラボラトリートレーニング)』のラボラトリーとは一般に実験室のことをいいますが、トレーニングの過程が実験室のような小集団の中で行われるので、こう呼ばれています。
自己理解、対人感受性、コミュニケーション、人間関係、集団課程、組織行動などを、主体である参加者の「学び・気づき」を最大限に尊重しながら学び取ります。
その学びは、学習のねらいに即して「今、ここで」起こった事柄を紐解きながら行うものです。

この『体験学習』を生きたものとするために「ファシリテーター」の存在があります。
「ファシリテーター」とは一般の研修では講師・トレーナー等と呼ばれている立場の人のことですが、体験学習においての「ファシリテーター」は講師・トレーナーとは全く別のものです。
体験学習は「何が起こるかわからないが、起きた事から学ぶ。」わけですから、ファシリテーターの姿勢は参加者と共に学ぼうとするものであり、「答」を教える役割はありません。
「今、ここで起こったあらゆること」を受け止め、答えを教えることなく、ねらいに結びつけるところにファシリテーターの存在意義があります。
参加者は教えられずに「自ら学び・気づく」ので、いつまでも記憶に残り変革に大いに役立ちます。


実習の流れとしましては、まずは経験から始まります。
特にファシリテーターから講義がある訳でもなく、何か用意された答えから始まるわけでもありません。
ある課題に対して、とにかくやってみようということで始まります。この経験(DO)のステップが「実習の実施」です。

指摘は、「実習の実施」での経験から、自分あるいはグループの中で起った様々な事柄を学習のねらいに照らして、焦点を絞りプロセスを見ていくということです。
つまり「ふりかえりシート」の設問項目などが指摘(LOOK)となります。

次に分析ですが、これは起こったことが何故なのかを考察する為に用意されたステップです。
ふりかえりシートの設問項目にある「理由を書いてください」などがそれに当たります。
通常、何かを体験するとすぐに、「次にはこのようにしよう!」と考えてしまいがちですが、体験学習では、「何故そう思うのか」「何故そのような行動をしたのか」「何故そのような結果になったのか」という分析(THINK)を入れる事により、より気づきを深めます。

この分析のステップをしっかりと踏むことにより、自分なり、グループなりの「仮説」を見出すことができます。これが仮説化(GROW)となります。
仮説を見いだして、次の「DO」に繋げること、そして、このサイクルを回すことを「成長の循環過程:成長サイクル」と呼びます。


第2回となる次回は、この「成長の循環過程:成長サイクル」を回す必要性についてお伝えしたいと思います。

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株式会社アイデアル 山口幸子
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